手持ちの抵抗器、美しものがなくてすみません…
抵抗器には種類があります。
電子工作をするときにもっともよく出てくるのが
・炭素皮膜抵抗器:精度は低いが安価
・金属皮膜抵抗器:多少高価だが高精度、低ノイズ、温度変化に強い・酸化金属皮膜抵抗器:この形状の抵抗器としては大きな電力(温度)に耐えられる
の3種類。
一番初めの写真に示したものです。特徴もあわせて記しています。
電子工作では炭素皮膜抵抗器が最も一般的です。
金属皮膜抵抗器は、左右チャンネルの音量差にこだわるオーディオなど、精度を求める用途に。
酸化金属皮膜抵抗器は、小さな電源回路に用います。
これだけを読むといくつかの疑問がわくと思うので、疑問Q&A
Q:炭素皮膜抵抗器で回路を作ったら、誤差でちゃんと動かないのではないのか?
A:ほとんどの場合問題ありません。
最大でも5~10%の誤差です。懐中電灯の明るさの10%、ラジオの音量の10%、扇風機の回転速度が10%変動しても大きな問題はありませんよね。もし必要であれば金属皮膜抵抗器(誤差1%以下の精度)があります。
もっとも、10%の誤差を謳うもので実際に10%の誤差があることはほとんどありません。
Q:3種類の抵抗器の見分け方は?
A:簡単ではありません。
一部では外観の色で見分けられるという説がありますが、確かではありません。
一部ではカラーコード(後記)の本数で見分けるという説もありますが、これも確かではありません。
唯一、抵抗値を測定しながら加熱した際の抵抗値変動が少ないものが金属皮膜抵抗器とわかります(温度変化による抵抗値変化が少ないという特性があるため)。
複数種類の抵抗器があるときは混ぜないようにしましょう。
Q:定格電力を超える電力を印加するとどうなるの?
A:発火します。
特に炭素皮膜抵抗器は炭素が材料ですので燃焼します。
電力用の酸化金属皮膜抵抗器も、定格内での使用でもそれなりに発熱します。手で保持できないような温度になります。基盤に配置する際に浮かせるように指示がある場合は厳守。基盤を痛めます。
ここからは、抵抗値の読み方を記します。
抵抗値はカラーコードと呼ばれる線状のマーキングによって読み取ることができます。
模式図で表すとしたのようになります。
すきまが右側になるように見ます。1,2が数値、3が乗数、4が誤差(許容差)を表します。
赤 黒 黄 金とならんでいる場合、下の表から読みとると、
赤=2
黒=0
黄=10^4
金=±5%
よって、20×10^4の±5%
200000 ±5%Ω = 200k ±5%Ω
というように読み取ります。
1,2(数値) 3(乗数) 4(誤差)
黒 0 1 -
茶 1 10 ±1%
赤 2 10^2 ±2%
橙 3 10^3 ±0.05%
黄 4 10^4 -
緑 5 10^5 ±0.5%
青 6 10^6 ±0.25%
紫 7 10^7 ±0.1%
灰 8 10^8 -
白 9 10^9 -
銀 - 10^-2 ±10%
金 - 10^-1 ±5%
おまけですが抵抗値の設定について。
抵抗値は1~∞まで、1Ω刻みでは設定されていません。
1~10までを等比級数で分割した「E系列」によって設定されています。
だから47kΩとか27Ωだとかの中途半端な抵抗値が多く流通しています。
そして、教育で色を扱う時の注意点です。
日本人男性の約20人に1人は一部の色(赤・緑)が見分けにくい・見分けられない色覚異常を持っています。カラーコードを正確に読み取ることのできない生徒もいます。よって、色の指導には配慮が必要であり、カラーコードを見分けられない生徒がいても過剰な反応は慎むべきでしょう。
長くなったのでこのあたりで。
次回は抵抗器の中でも可変抵抗器(ボリューム)について書こうと思います。
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