2013年4月29日月曜日

材料と加工:新型iPhone風(?)しおりの製作3 外形・リンゴマークの加工1


リボン穴をあけたら角の丸みを削り出します。
図面でも丸みの半径を「R10(あーるじゅう)」などと表現するように、丸みを「アール」とも言います。

鉄工やすりでこれくらいまで丸みをつけます。今回は「職場にある道具で作ることができるか」を検討するためですのでけがきについては簡便な方法で行っています。実際に子どもたちに作業させるときは、正確に加工できるようゲージを作ったり、リンゴマークと同じようにパターンを貼り付けます。とはいえ、教員を目指すならやすりがけで美しいアールを自在に作ることができるよう練習しておいてよいと思います。こういった技術は子どもたちからの尊敬を集めるには必要です。
 上の写真ではバリが残っています。バリはヤスリを45°に当て削り落とします。
 そしてリンゴマークの加工。まずはドリルでざっくり穴をあけておきます。また、この加工において気を付けなければならないのが…ドリル先端の右下にお皿状の金属片があるのが見えるでしょうか。この金属片がドリル先端に食い込み加工を妨げます。ドリル先端の状態に気を配りつつ穴あけ加工を行います。

そして、穴あけが済んだらこのように…ニッパで加工ができるかを確認した結果、NGでした。これは困った。じゃあ、これに代わる加工方法は?もちろん見つけています。これについては次回をお楽しみに!

2013年4月22日月曜日

材料と加工:新型iPhone風(?)しおりの製作2 リボン通しの穴あけ

よし、前回スプレーのりを吹いたところにリンゴマークを貼り付けたぞ。
そして今日は穴あけの紹介。

穴あけをするときはまずポンチマークとドリル先端の位置をぴったり合わせます。ゆっくりドリルをポンチマークまでおろして先端がそろってるか確認。ずれてたら…ずれちゃいます。 ぴったりそろっていたら切削油を材料に少量とドリルに拭いておきます。ワークにだらだらとかけても意味はないので注意を。昔、そんな人が居ました…。
 穴あけはドリルを当ては上げて、当ては上げてを繰り返します。ドリルの刃先温度を上昇させないためです。刃先温度が上がるとドリルの先端硬度が低下し、なまくら化→切れの低下→切削痕の悪化→摩擦の増加→なまくら化…の負のスパイラルに陥ります。
 穴が開くとバリができます。このバリはケガの下になってしまうので取り除きましょう。
あけた穴より径の太いドリルでごりごりと削り落とせばOKです。専用の面取りカッターというものもありますが、この方法で十分です。本家の金型屋でさえ使ってる方法です(もちろん、精密なものになるとちがいますよ^^;)。








今日はこんなところで!

生物育成:ナスの栽培2 水やりは…


よく見てみるとおかしな点が…それは。

これ。プランターの苗のみへなへなと…。
原因は水不足。
2日間水をやらなかったらこんな状態になると判明。
定植直後は水やりが重要。
プランターだとすぐに蒸発してしまうなあ。
地面に植えると土の体積も多いし、マルチもひいてるので保水性が高いってことも分かった。
よしよし。

おととい、昨日と寒くって、夏野菜のなすびには厳しい気候。
持ちこたえてくれるかな…

2013年4月21日日曜日

材料と加工:新型iPhone風(?)しおりの製作1 けがきとポンチング

こんなしおり、作ってみませんか?

特別支援教室用に開発した教材だけれども、普通教室でやってもきっと楽しい。
もちろん、自分で作っても楽しかった。
国語の有名な先生で「自分でわくわくしない本を読んで生徒たちがわくわくするわけがない」といったことを言ってた人がいた。技術もそうだと思う。
じゃあ、授業でできてるかって言われると心苦しいところも大いにあるんだけれど…(汗)

さて、製作に戻ります。

準備するのはリンゴマークと厚さ1mmの真鍮板。縦横は適当(適切)なサイズに切断する。材料のクランプ(固定)、切断は気を使う必要がある。薄くやわらかい材料なので口金を適切なものを使わないと傷が入って修正が面倒。深い傷だとリカバーできない。個人的には







口金、そして鋸刃はこれを使えば間違いない。この口金(口ゴム?)は磁石が内蔵されていて万力に固定しやすい。また、鋸刃はSK材で作った鋸刃もあるけれど、バイメタルに限る。刃の持ちが全く違う。2枚入りで1000円近くするけれど、被削材が3~5mm厚のマルテンサイト系ステンレス(熱処理が可能な硬いステンレス)であっても、折れない限り「切れなくなった」という経験はない。そして山の数は32山がいい。24山もあるけれど、ピッチが広すぎて硬い材料には向かないし、切断面もあまり美しくなかった。

そして、紐を通す部分にけがきを入れる。けがき針はキンキンに研いでおくと細く美しいものが描ける。
この部分には穴をあけるのでセンタポンチを打っておく。センタポンチは作業台の真ん中で打っても良い結果は得られない。作業台の脚の真上で打つ。作業台の真ん中で打つと天面のたわみで力が逃げてしまう。脚の真上で打ってしっかり窪みをつけよう。また、二度打ちは厳禁経験的に「トン、トン」と二度打ちするとけがいた中心からずれた部分にポンチングしてしまう。加えて強くたたきすぎるのもよくない。強くたたくと深く凹んでしまい修正が効かなくなる。一度小さく凹みを付けて、間違いがなければもう一度強くたたく、これが美しく正確にポンチングするコツです。
ポンチングができるたら次はパターン(模様)の貼り付けです。糊付け不要な部分にはマスキングテープを張り付け、べたべたにならないようにします。今回使ったスプレーのりは
 
こいつです。3Mの巨大なやつもあるけれど、個人使用であればこのサイズが使いやすいです。

次回は穴あけに取り掛かります。

2013年4月19日金曜日

生物育成:ナスの栽培1

なすびの栽培、はじめました。
技術教員の中で苦手にしてる人が多いと思われる生物育成。
ま、やってみないと始まりませんのでやりましょう。

そしてお勧めなのが栽培の様子を写真に撮っておくこと
作業のはじめと終わり、そして成長や収穫の写真を撮っておけばいつ、どんな作業をしたのか、いつが収穫時期なのか具体的な日時がわかります。これがわかれば授業においても栽培計画を立てるのに役立ちます。



また、なすびの苗を定植前に並べて写真を撮っておけば、


「これらの苗の中から、一番良いと思う苗を選び、その理由を100字程度で説明しなさい」
なんて問題も作れるわけです。




そしてT3がお世話になってる参考書はこれ。


この本を読めば施肥と土づくりの基本がわかります。中身はカラーではありませんが論理的な説明がなされているので納得しやすいです。本屋には色刷りで作業の具体的な説明が載っている本もあります。だけど、それだと「なぜそうなの?」ってところに納得できなかったので、この本になりました。この本のとおりの栽培したホウレンソウが下の写真。こんなのが収穫できます!収穫したてはとっても美味です。




これからナスの様子もUPしていきます。
特別支援用の材料と加工(金属加工)教材の様子は次回からUPさせてください(^^;)

2013年4月9日火曜日

ゴム鉄砲の製作3 完成

 銃口の加工が済んだら銃身の接着が続く。
木工用ボンド(というのはご存じのとおり、商品名。教育的・公務員的に言えば酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤と言うべきか…)を用いる。上の写真のように付けた後、指で伸ばす。
これが「気持ち悪い」って生徒も多数。
身の回りにあるものの大多数よりよっぽど清潔なんだけどな。
接着剤って実は塗った後の養生が大切。確実にクランプをかけて適切な時間保持しないと接着強度が確保できない。

説明書通りに作ると、部品ごとに①切って②貼って③加工する、を繰り返す。すると部品ごとに養生の時間が取れないので、部品はすべて切断して、必要箇所の接着を先に行っておくほうが良い。
 部品は切りっぱなしだとこんな風にバリが出る。バリの語源、気になって調べてみた。google先生曰く、語源は英語のburrらしい。自分の記憶では「イバリ」から来た、と思ってたからちょっと驚き。ま、google先生が100%あってるわけではないし、ほんとの語源はなんなのか?という質問を頭の引き出しにしまっておこう。あ。バリはサンドペーパーを掛けて落としておく。
 部品を接着する。使ってるのはベンチバイス。このベンチバイスの口金はチェッカリングを切ってるから木工には適さない。やんわりクランプ。
 あとは説明書通りにけがいて切断。今回の材料はヒノキ。ヒノキってやわらかいってイメージがあるけれど、加工は精密なほうが仕上げは楽です。
 見えるかな?けがき線が机と平行or若干前方が外側になる用に固定。前方が机側に寄ってるとのこぎりが入らなくて切れないから。

良くできた設計なので、少しくらい寸法が外れてもちゃんと製作できる。トリガーグルーブの図。この後フレーム系を接着していく。接着の順序は①「N」、トリガーグルーブをセットして、様子を見ながら②グリップベース、③銃身(バレル)、④「O」の順番で行った。
はい、これで完成。フレームを木ネジで固定すると説明書には書かれてるけれど、今のところ接着剤のみでOKの様子?オッグクラフトさんにはほかにも多数のゴム鉄砲があるので、器用な人はチャレンジしたら楽しいかも。
 
と~っても簡単にゴム鉄砲の作り方を説明してきました。
 
実は特別支援用教材の第2弾も既にスタート&8割完成状態です。
良かったら見に来てね。
第二弾は金属加工だよ。
 

2013年4月8日月曜日

ゴム鉄砲の製作2


作り方はとっても簡単。
ゴム銃のオッグクラフトさんhttp://oggcraft.jp/index.html
の、このページhttp://oggcraft.jp/howto_koka.html

このページをプリントアウトすればそれだけで説明書になる。
今回はブラウザからプリントしようとするとうまくいかなかったのでWordにコピペしてプリント。
 材料はホームセンターにあるようなものでいけます。説明書によると幅広材のほうの板厚は3mmとあったけれど、5mm材でも問題なく製作できた。ただ、3mm材ではグリップ部を2枚重ねにするとされてるけれど、5mm材であれば重ねる必要はなく感じた。また、技術の授業では切り代、削り代を設定するのが普通だけれども、 部品を2次元で置いていくだけなので、それほど神経質にならなくてもよい。普通学級でも切り代・削り代の扱いは難易度が高い。ここをパスできるというのは特別支援学級では助かるかも。
 詳しい作り方はオッグクラフトさんにて…。銃口の切欠きはこんな風に製作。技術科の木工室でしなきゃならない、が、木工バイスがない、ということがある。でもFクランプはある、ってことがある(笑)机の端に角材を固定、そこに横向きにFクランプを掛けるという荒業で乗り越える予定。この部分の加工は細工用の導突き鋸があればより良い。
切欠きの先端はカッターでいくらか整えておきましょう。手、切らないようにね(^^;)

今日はこんなとこで。

材料と加工:ゴム鉄砲の製作

中学校の教員をする人は特別支援教育も欠かせない。
技術科教員もしかり。
むしろ、他教科よりも大きな役割を求められているように感じる。
物を作らせることで達成感を感じさせようということだと思う。

特別支援について、大きな役割を求められている一方で、技術科教員として教材を十分に準備できていないというのは反省点です。
そこで新しく&適難度な教材を発見したので紹介していきたいと思います。

では、次回は早速加工です。